さぁ、飛べ！今を。

　歳をとると、
　もうやさしく生きるしか
　人とつき合う術がなくなる。

　風に飛ばされて
　舞うくらい
　軽くなければ、
　人はもう気づきもしない。

　若い人よ、
　あなたの優しさは、
　いのちの熱さだよ。
　人を憂う寛さだよ。
　愛する人へ、
　注ぎ込むいのちなんだよ。

　熱すぎるいのちが、
　愛する人を傷つけることもある。
　熱すぎる優しさが、
　愛する人を殺すこともある。
　
　けれど、若い人よ、
　愛する人に、
　命の熱さは届いているんだ。
　愛する人は、
　命の優しさを
　しっかりと抱きしめているのだ。

　何を、
　躊躇う？
　若い人よ、
　あなたも、だんだん、歳をとる。
　命の熱さを、
　受け容れてくれる人も
　いなくなる。

　若い人よ、
　今を、生きよ。
　若い人よ、
　待つことはない。
　命の熱さを生きるのは、
　今、
　なんだよ。

　傷だらけのなかで、
　しっかりと抱きしめる
　命の優しさも
　あるのだ。

　今を、
　生きようよ。

　恐れることはない、
　命は求め合っている。
　躊躇うことはない、
　命はつながりあっている。

　愛する人は、
　もう、気づいているんだよ。
　愛する人は、
　ずっと、ずっと、待っているんだよ。

　さぁ、飛べ。
　背中の羽根を、
　自由に伸ばして。

　さぁ、飛べ。
　命の自在な世界を。

　さぁ、飛べ。
　今を、自在に。