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心がさびしい、 心がつらい、 心が痛い・・・ 心が喜ぶ・・・
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★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 一休さんの詩を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★






★ 青のくさみ「森女」遊泳1901w12p1025

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遊泳の時空開くか秋の暮

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 ≪ 東の戸をひらけばよろづのもみじ、西の戸をひらけば竹のはやし、かのとしに焼亡したる庵のあとにむすばれし酬恩庵は、和尚の住みたまいてよりおとなう人も多く、山城、大和、奈良の山山を眼下にみわたす絶景はしょにんの目をおどろかせり。好士のとおきもいとわずきたりて、春にははな、秋はもみじをともに賞づるも和尚の徳のひろがりたるゆえんなり。文明四年の秋のくれなりけるが、和尚一日雲知坊、鉄梅をしたがえ、たまいて奈良初瀬川にもみじをたづねて帰りたまう。折しも山城の山々夕がすみにくれ、西の竹のこずえよりさし入る陽のえもいわれぬうつくしきけしきに、庵の門に立ちて消え入らんばかりなる女人ありたり。和尚不審におもいたまいて近寄らるるに、こは坂の井の上の庵をいでて行方しれずになりにし森女と申すめくら法師なり。和尚おどろきよろこびたまいて、即刻庵にまねき入れ、すぎこしこと問いたもうに、盲女もまた和尚に相見のよろこびかくしきれず、長旅のつかれもわすれてこたえけるに、坂の井の上を立去りたるは老師と日をかさね夜をかさねし夢ともうつつとも浅ましきかぎりの身の悔いられて、このまま有徳の人を罪におとさんよりは、いづこの里なりと身をひそめ、つづみうたなどよみてくらすにしくはなしと思いたち、こころは千々にみだるれど、音もなく庵を出でて、生駒、奈良、笠置の村々をめぐりしも、いかにせんゆくさきざきに一揆のおこりて、朝に夕にいくさのなき日はなく、焼けこぼたれし里家の、まだくすぶる棟木をかきわけかきわけ、野ざらしの堂、森の樹陰にやどりて日をおくりたり、されど住吉にありし頃の、眼にはみえねどなつかしきおもかげの思いだされて、やがてはやせ衰えて死にゆく身にあれば、今生の名ごりにいまひとたびあいたきものと思いつめ、まづ住吉にたちもどりたれど、庵は住み人のかわりて、老師は薪の村にうつりたまうと教ゆる人のあれば、こころせく思いに、見えぬ道を歩き、いまにたどりつき申しそうろう、とこたえければ、和尚涙ぐみたまい、住吉にみたる人ともおぼえなきみめかたちのかわりたる哀れさよ、なぜにことわり無うして出でたちたるや、いつかは草の根わけてもさがしあてて、不自由なる身をかもうてやらんものをと思いておれど、すぐる年の一揆の乱入にて、こぼたれし庵の、仮屋など建つるにまぎれて果たさざりしなり、されど、よくぞ訪うてくれしやと、手をとり頬ずりして涙したまうも和尚が純一無垢のこころなり。さらに和尚の申さるるに、御身はいくさの野をさすらいくらして病みたれど、年わかきゆえにわれほどにやせもせず、みえる眼なればわかろうものを、眼前の衲僧は、老いさらばえ骸骨に皮かぶせたるけしきなりとうちわらいたまいけるを、森女の申しけるは、めくらの身にはこの世の栄華とても、いま説きたまう地獄のいくさも見えもせず、ふく風はうまれながらの凍て風にて、あるは身のよごれも病みもこころづかぬことこそよろこびと申すべし、いま老師が御声をきくにつけてもこころおどり、ひえはてし躰ののぬくもるをしりて嬉しきことかぎりなしとて、つぶれしふたつ眼よりしづくの玉をいく筋か頬つたわらせて泣きすがるを、和尚ふたたびはなしはせぬと手をとりて涙ながらに申さるるに、森女はその手をつとひきて、おそばにとどまりたきはやまやまなれど、若き身の老師のもとにあるなれば、仏道の妨げにこそなれ、何の役にもたたぬ厄介者なりといいつのるに、和尚大声にて怒りたまいて、仏道の妨げとなるやならずや、まづともに日をかさねてみん、かくいうそなた仏道をみしことのありしや。森女首ふりうちふるえ、いまだにその仏道もわきまえおりませぬと申せば、和尚呵呵とうちわらい、安んぜよ森侍者、誰にてもわきまえてはおらぬことなり、仏道の妨げとなるかならぬか、今日よりここにいたまえ、とて熱き息ふきかけ肩いだき、よくこそめくらの身にてたどりつきたるぞ、これこそ仏の加護あればなりとよろこびたまうに、雲知坊、鉄梅ももらい泣きす。文明四年秋のすえ方なれば、はや秋虫の庭にすだきて、落ちくる夜の色にいもせの契りむすばれしより和尚八十八の御年のくるるそのきわまで、森侍者のかしづかるることとなれり。和尚の作偈に、十年、花の下、芳盟を理む、一段の風流、無限の情。惜別す枕頭児女の膝、夜深うして雲雨、三生を約すとあるも、むべなり。 ≫   。。。清太夫『行実譜』
 清太夫の推察は、森女の心懐に入ってこころやさしい。また、一休の再会のよろこびをさもあらんの心情吐露としてあたたかい。薪園再会の両人のよろこびと、有頂天ぶりは、まさしくこの通りであったかと思う。時代は、くりかえしいえば、人は人を人と思わず、親は呼を殺し、子は親を殺し、夫は妻を捨て、妻は夫をなぶり、家来は主を殺し、主はその主にそむき、百鬼夜行、強盗、強姦は続出し、人心地に堕ちた生き地獄である。
 。。。水上勉『一休』p301



 森女さん礼賛詩の時空です。
 一休さんのお話しでは、大好きな場面がいくつもあるのですけれど、その中でも、お気に入りの場面です。酬恩庵のイメージはこの一休さんのスローライフとスローセックスの営みを現成する時空なのですけれど、宮内庁管理下の酬恩庵は今では虫もなく場所を持っていないほど管理し尽くされた感じです。
 清太夫さんの再現してくれた何度目かの再会の場面ですけれど、ここを端緒に一休さんと森女さんのスローライフ、スローセックスの文化を試みたいと念っています。
 作麼生説破の呼吸がつかめるようになるといいのですけれど・・・


 遊泳の時空開くか秋の暮   仁


 天衣無縫の衣盗まん




 
★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 青のくさみ「森女」遊泳1801『 也風流一念菩薩花木槿 』w12p1022 へどうぞ!!! ★★★
 

★★★ 林住期道楽交心w12q090601『 茜草一会の祇王肌に染む 』 へどうぞ!!! ★★★




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青柳仁
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非公開
自己紹介:
 21世紀を平和の世紀に!
 平和の砦を守る戦士として生きていますけれど、身近な人たちの中で、戦争に対してNO!と言い続けるスタンスを持ち続けていくことしかできません。
 手に花を!心に平和の砦を!

 平和の砦の源泉は子どもたちの未来を守ることです。子どもたちが生きる希望と勇気を持つ世の中を創りだしていきましょう。
 子どもたちと一緒に生きましょう。

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